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水道水質分析の仕事って、想像できますか?

「水質分析の仕事」につて、鍋屋分会(水質管理課)武田さんからの投稿です。

水質分析で必要とされるのは

細心の注意と体力、そして想像力。誰がやっても同じ値が出なければならない化学分析、無限の候補の中から確定していく異物試験、40ものカウンターを叩いても足りない生物試験、仕事の性格の違いは、千差万別です。一応、化学屋と生物屋で、夫々の特性に応じて、分担してきました。しかし、生物屋は絶滅危惧種。3浄水場に2・2・1の配置が、いまや最後の一人。

生物技師の減少に対応して、平成16年からの体制では、生物試験の量をおよそ3分の1に削減してきました(その後、鳥居松沈でん池の毎週調査が復活)。しかし、生物屋が得意とするフィールド調査も、木曽川最上流部調査をはじめとして、生物屋なしの体制になってきています。しかし、化学屋さんで生物担当に転向して活躍されている方もあり、個人の資質と努力に負うところも大きいのですが。

ダム湖での採水では

生物屋の目から見ると、表面の1センチを採水するか、10センチか、100センチかで、データの桁数が変わる事もあります。でも、実際はバケツを投げ込んで、30センチ程の平均という事になります。しかし、バケツ一杯目と、二杯目が、同じ水質とは限りません。

化学分析では、決められた方法で、誰がやっても同じ値、整合性のある値が出なければならないため、かなりのストレスに晒されます。逆に生物試験では、基本的な方法はあっても、対象とする生物によっては、試験者により0と1000の差を出す事もあります。見えなかった事にすべきか、疑わしきはカウントすべきかの、ジレンマです。

アナログな仕事の中で

一番楽しくもあり苦しくもあったのが、異物試験です。まず、実体顕微鏡で見て、見当をつけます。慣れれば、一見にして判る物もあります。有機系の合成物ならFTIR、無機系の物質なら電子顕微鏡のEDSと呼ばれる分析器にかけてスペクトラムを取り、客観データとします。FTIRの分析では、測定用の小窓にいかに試料を押し付けるかにかかっています。慣れれば、0・5ミリ程の小片やそれ以下の小片を集めたもので、十分スペクトラムが取れるようになります。

蛇口のストレーナの異物には、結構カビやバクテリアの塊がありました。人が入った風呂水を調べろというのには、「皮膚脱落物」としか書けないものもありました。備蓄缶に付いたカビを調べてくれというケースでは、付着物を水に戻し検鏡した所、単子葉植物の導管(導水管)が見えたので、ネギの導管写真を参考に添えて報告しました。さびの由来を調べてくれと言う件では、酸で溶かした残渣に球状の炭素が検出され、ダクタイル鋳鉄管の黒鉛と判定しました。しかし、こういった面白いケースは、非公式の表書きなしの報告となることが多いものです。

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