2008国民春闘のスタートダッシュとして、熱田中川支部の「長良川河口堰と市民運動」シンポジウム(2月9日)と第29回トヨタ総行動(2月11日)が行われました。河口堰シンポジウムは、「長良川河口堰建設をやめさせる市民会議」との共催です。名水労は住民や民間労働者との幅広い共同を推し進めます。
シンポジウムは市民など100名以上が参加。はじめに粕谷志郎岐阜大学教授、富樫幸一岐阜大学教授、天野礼子さん(長良河口堰建設をやめさせる市民会議代表)が講演を行い、その後のパネル討論では、大治分会杉本さんがパネラーとして加わり、討論を行いました。
天野 官僚と交渉してきたのですが、対応は変わってきたのでしょうか。
富樫 変わったのかどうかは難しい。水問題は首長の姿勢、国の方針などもあります。国交省の方針は変わりきってないですね。
天野 導水路問題で岐阜の皆さんは、なぜ朝日新聞に意見広告を出されたのでしょうか。
粕谷 このときは揖斐川の水が長良川に来るなんてことは、住民に知らされていませんでした。まず、知らせようと言うことです。
天野 今後、どのように運動を取り組むのですか。
粕谷 方向性はこれからです。長良川を使って木曽川に水を持って行く計画は、河口堰を含め総がらみの計画です。河口堰は公共企業ですので民間企業による公害より悪い。
天野 河口堰の運動はマンモスの膝を折った。河口堰は造られたが負けてはいません。市民運動は相手の攻撃もあるが、自然は生物の多様性を許し合っている。多様性を言う市民が大同団結できないのは弱点です。
粕谷 多様性を認めることは大切。市民には様々な考えがありますが、揖斐川の水を長良川に持っていき、溜まり水を知多半島に持っていって飲ませるのは問題と、誰でも共通認識として持っています。
富樫 いろんな立場から知恵を集めたい。河口堰の問題が岐阜の問題と思ったら、全国に広がった。導水路問題として、また、岐阜県に返ってきた。情報をみんなの問題として共有すること、住民にわかりやすくすることが大切です。
杉本 名水労は導水路計画に関わるべきじゃないという要求を出しています。実は導水路問題は市の工業用水道事業課題でもあり、名水労は工業用水道の政策をうちだしていこうと思っています。
天野 市民も働く人も河口堰や導水路事業が身につまされるということを覚えておいてください。徳山ダムのように造らなくてもいいものを造ってしまった。全国に訴えていくことが必要です。
第一は、長良川河口堰下流の汽水域の破壊。上層の方に酸素はいくが、下層にはいかず、ヘドロがたまっています。下流はシジミが生きられないヘドロ状態です。
第二は河口堰上流の湖沼化。藻類が繁茂するようなっています。
第三は環境ホルモンの問題。河口堰はユスリカが一時的に増えたが、現在は生息すらできないようになっています。環境ホルモンのビスフェノールAは河口堰で濃縮され、底の濃度は数百倍になります。
農水省が「生物多様性戦略のポイント」で、「不適切な農薬・肥料の使用など一部の農林水産業の活動が生物多様性に負の影響」があったと発表し、戦後の農薬・肥料が環境に悪影響を与えてきたと認めたわけです。
反省がないのは河川官僚。21世紀は20世紀と違ったことをするべきで、農水省は負の遺産を認めた。河川官僚も変わるべきです。
長良川河口堰が完成して12年。木曽川水系は岩屋ダム、馬飼頭首工の完成で水が余っているにもかかわらず、河口堰と徳山ダムを建設しました。
徳山ダムは治水ではなく、もともと利水目的。確かに名古屋市の人口は増えているが給水量は減っています。工業の空洞化も著しい。徳山ダムは導水しても水需要はなく、導水路は渇水時以外に使えません。